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チャオのこと12

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チャオへ



長々と付き合ってもらったお前への手紙も今日が最後になるよ




俺さ 子供の頃 すっげえ貧乏な暮らしだったのね


いくらモノを欲しがったところでお金がないから手に入れることはできなかったわけだ


そこでどうしたかっていうとな


欲しがるってことをやめたんだよ

 

そしてモノに興味を持つことをやめた


それこそが惨めでひもじい思いをせずに生きていくためにのぶ少年が身につけた技術だったんだよ

 

誕生日もクリスマスもお祭りも俺にゃ関係ないものだと自分自身に言い聞かせた



いや… むしろ 忌み嫌い 遠ざけた



そしたらね  それが当たり前になりずいぶん楽になったよ

 

 



それとな


俺の母親は俺が二十歳のとき死んだのね


長患いしてたわでもなく

ある時パタっと死んじゃった


47歳  心臓だったよ


その時俺はね 大げさではなく この世の終わりだと思った


俺は母親が大好きだった 


大好きな母親が死んでしまうなんて 悲しくて悲しくて 言葉では言い表せないほど悲しくて毎日泣いていた


でもね いくら悲しんでも いくら泣いても母親は生き返ってはこなかった


その経験から俺は[死]を悲しむのはやめようと誓ったんだ


いや ちょっと違うな


[死]そのものから興味をなくすように訓練してきた と言った方が正しいかもしれない

 

〈生きてりゃみんないつかは死ぬんだし それが早いか遅いかの違いだけ

誰にでも訪れるものなんだから大騒ぎするほどのことではない

そういう俺もいつかは死ぬわけであり死ぬことなんて怖くもなんともない

だから俺は誰かが死んでも悲しまないし俺が死んでも悲しまないでくれ〉


そんな あまりにも強引で乱暴で自分本位で無茶苦茶な屁理屈を並べて母親の死後28年間生きてきた


当然その間 誰かの[死]で人前で涙したことはただの一度もない


可愛がっててくれた婆ちゃんの時も 可愛がっていた後輩の時も 優しかった叔父さんの時も それ以外も全て 


「悲しいことではないんだ 悲しいことではないんだ 悲しいことではないんだ 悲しいことでなはないんだ………」


と 繰り返し自分に言い聞かせてきたよ


[死]というものに対し努めて鈍感でいようとした



単純な話 そうすることで自分を守ってきたんだな





ところがどうだ


お前とのお別れからすでに七日間が経ったというのに 俺は一人になりお前のことを考える度に自分でも嫌になるほど涙が溢れてくる


なぜだろうって考えたよ


わかったのは これは〈悲しい〉のではなく〈寂しい〉んだってことだった


お前は推定17年間の天寿を全うした


だから 可哀想という気持ちはないんだ


そりゃもちろん もっとああしてやればよかった こうしてやりたかった という後悔の念が全く無いわけではない


ただ そんなことをひっくるめてよくよく考えてみてもお前はその命の限り生き抜いたし 俺たちと暮らした日々はお前にとって悪くはなかっただろうと思える自負はある


そう 


〈悲しい〉とは違うんだよ


俺の涙のわけは 二度とお前に会えない もうこの手で抱いてやることのできない〈寂しさ〉なんだよなあ




お前の最後を一緒に迎えたなっちゃんの前でも俺はケロリとしているフリをした


お前の話題になってもできるだけ明るいトーンで話し ヘッチャラな顔を見せた


でも なっちゃんは全てお見通しだったのかもしれない


ある日 仕事中の俺に「おつかれさま 今日はお店でゆっくりブログを書いてから帰ってきたら?」という連絡が来た


お前への手紙を書くのは嗚咽を伴う作業だったからこれは願ってもいない提案だった


俺はその日 店で一人思う存分泣きながら手紙を書いた


涙と鼻水がとめどなく流れ  時に少女のような声を上げて泣いた


そんなんだからなかなか進まず 昼間のうちにすでに半分ほどは書いてあったにもかかわらず 全てをを書き終えたのは夜の10時近かった


「ブログ終わったから今から帰るわ

泣けてきちゃってなかなか進まなかったよ(≧∇≦)」


という連絡に対し


「おつかれさま

私の知るのぶさんはこれまで誰かが亡くなっても一切感情を表に出さない人だった

なのに そんなのぶさんを泣かせたなんて チャオはオトボケなフリしてなかなかやるオトコだったのかもね 笑

こんなにも愛しい存在がいるって最高に幸せだよね

私は寂しくて悲しくて泣くことは恥ずかしいことじゃないと思う」


そんな返事が来た


俺はこの時知ったんだよ


そっか お別れを悲しがったり寂しがったりすることはいけないことでも恥ずかしいことでもないんだな

泣きたい時は思いっきり泣いてもいいんだな


ってさ





前にも書いたが あの雨の日 俺たちの前に泥だらけ ウンチまみれ びしょ濡れのお前がフラリと現れてからの七年間

実にたくさんの経験と その中からいろんな勉強をさせてもらったよ


ひとことも言葉が喋れない犬のお前にだ


そして 最後の最後にも [死]を持ってしてお前は俺に新たな気づきをくれた


長いこと凝り固まって停滞していた体中の血液を再び流してくれた


そんな気がしてならないよ





あ そうそう


お前の名前を付けたあのギター【チャオ】だけどな


昨日 石川県金沢市の[のぶさんち]で初披露してきたぜ

集まってくれたみんなも事の顛末を知ってるから「チャオ♪ チャオ♪」って まるでお前に話しかけるみたいに名前を呼んでくれてたよ


そして かつて我が家に泊まりにきてお前も何度か会ってるコイツ

↓↓↓
の提案でこの曲をお前に贈った


https://youtu.be/_T9R_4bjXsY



途中何度も声が詰まりそうになったし 涙で歌詞が見えなくなりそうになったけどなんとか最後まで歌い切ることができたよ


ま  聴いてくれてたヤツらにゃバレバレだったろうけどな…(≧∇≦)



これとな 今回俺を金沢に呼んでくれた

↓↓↓

ワッキー

とアヤコちゃんの間に待望の赤ちゃんが産まれてさ

もちろん俺も抱っこさせてもらったぜ
それはそれはほっぺのプクプクした可愛い女の子だったよ


ワッキーにも何度も散歩してもらって ウンチも拾ってもらったっけな

だからコイツ 金沢駅に迎えに来てくれて早々
「のぶさん チャオに「 〈ありがとうございました〉と伝えてください」

なんて真顔で言うもんだからマジで泣きそうになったことはナイショな!(≧∇≦)


金沢に行く前の日 ワッキーがこんなものを送ってくれたよ

まだお前が元気で いつも飛び跳ねるように歩いていた頃の写真だよ

他にも何枚も送ってくれた


こうして大事に保存しておいてくれたなんて嬉しいよな









なあ 【チャオ】 


いったいお前は今どこで何をしてどんなことを考えてるんだい?


そこは暮らしやすいところかい? 寒くはないかい? お腹は減っていないかい?



もう一度でいいから お前のその白い体を撫でたいよ 


思いっきり抱きしめたいよ



でもね それは叶わないことは充分にわかってる


だから俺は毎日泣きながら 目をパンパンに腫らしながらも前へと進むことにする






これは二年前の集の成人式の時の写真だ

家族全員が写っているこの世で唯一の写真だよ

これをお前が生きた証としてここに残しておくからな






またいつかどこかで必ず会おう


お前のことは絶対に忘れないからな








最後にもう一度だけ言わせてくれ









我が家を選んでくれてありがとう













さよなら チャオ


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【野武屋本店】

 

住 所 千葉県市川市湊新田2-1-18-103

電話番号  047-399-7778

  

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